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【就労ビザ】イギリスの Skilled Worker visa(旧 Tier 2)の取得手順

こんにちは、佐藤(@t_sato0910)です。

現在イギリスのロンドンにて、会社から就労ビザをスポンサーしてもらい生活しています。

はじめはYMSビザ、いわゆるワーキングホリデーのビザで渡英。

そこから運が良いことに、会社から就労ビザを支給されることとなりました。

また僕の場合、社長から全て自分で手続きをしたほうが早いと言われ、ビザの申請から支払いまで全て自分で行いました。

意外とすんなりいったことに加え、なかなかレアな経験だったと思います。


僕は親切なので、自分の経験を丁寧にシェアしたいと思います。

こういった人に参考になる内容

  • イギリスで将来的に働きたい
  • イギリスの就労ビザの申請手順が知りたい
  • YMSからスポンサービザへの切り替えを狙っている
  • イギリスの就労ビザ取得にはどんなスキルが必要か

イギリスの就労ビザについて


まずは簡単に、僕が取得した「Skilled Worker visa」の概要と、旧 Tier 2 visa との違いをまとめていきます。

Skilled Worker visaとは

2020年12月より、制度変更されたSkilled Worker visaについて簡単に説明します。

たいそうな名前がついていますが、いわゆるイギリスで最もスタンダードな就労ビザです。

基本的にイギリス国外の現地採用者は、大体の人がこのビザを取得し働くと思います。

このビザを取得すると、配偶者や子どもも扶養者として、ビザ取得が可能となります。

また、5年間このビザでイギリス生活を満了すると、永住権の申請資格が得られます。

旧 Tier 2 visa からの変更点

Skilled Worker visa の前身は、 Tier 2 という名前のビザでした。

結論から書くと、この変更によって日本人はかなりビザが取りやすくなったと思います。

ザッと理由を書くとこんな感じ

Skilled Worker visaが Tier 2 に比べハードルが低い理由

  • 現地労働市場テスト(Resident Labour Market Test)が不要に
  • 年間CoS枠数のキャップ(前ルール下で20,700枠)も一時的に削除
  • 申請もイギリス国内でスピーディーに
  • 雇用者の職種レベルや最低給与が引き下げられる


要するに、めっちゃ簡単にまとめると、基準を満たせばすぐにビザを申請でき、その基準もかなり柔軟になったということです。


雇用者の職種レベルと最低給与が下がったのが、日本人にとってはハードルが下がったと思います。

以前では簡単ではなかった飲食スタッフや美容師で、ビザを支給された人もいるようです。

◆現地労働市場テスト(Resident Labour Market Test)

イギリス国内では雇用者が見つからないことを証明するためのもの。雇用予定のポジションを28日間は必ず各種サイトに掲載し、募集をかけても人が見つからないことを証明する必要があった。

 

Skilled Worker visa の取得手順


ここからは、実際の僕の事例などを踏まえながら、Skilled Worker visa の取得経緯をまとめます。

まず大前提として、これは僕が申請した時点での情報です。

細かい点は変更されているところもあると思うので、最新の情報はUK政府の情報からチェックしてください。

Skilled Worker visa 申請までの僕の経緯

そもそも僕のYMSビザは、2021年3月まで有効でした。

残り1年を切り、そろそろ進路について考えようとしていた矢先、世界中でコロナウイルスが猛威を振るいます。

自分のイギリス生活は終わったとこの時点で覚悟(笑)

そして断腸の思いで日本帰国に備え、TOEICの勉強を開始。


そうこう過ごしていると夏頃、社長から将来について10月頃に話したいと連絡が入りました。

実際に社長と10月に面談を実施し、将来の人生プランについて教えてほしいと聞かれます。

ここで僕ははっきりと


「可能ならイギリスに残りたいが、ビザの問題があるので、そこをクリアにできるなら残りたい」


と伝え、社長も僕の意思を尊重し、ビザの手続きをしていただくこととなりました。


またちょうど2020年の12月から、現行の Skilled Worker visa に制度が変わることとなっていたため、まさに僕は第一期生。

この現行制度に変わったことによって、従来は日本で手続きが必要だったものが、全てイギリス国内で完結できました。

コロナ禍でもあったので、タイミング的にはめちゃくちゃラッキーだったのです。

Skilled worker visa 取得の大前提

ここでは簡単に、Skilled Worker visa 取得の大前提をまとめます。

Skilled Worker ルートでビザを取得するため、計70ポイントを満たす必要があります。

Skilled Worker visa の取得条件

  • スポンサー会社からのジョブオファー(CoS 発行):20 ポイント
  • 職務レベル(RQF レベル3):20 ポイント
  • 英語力14(CEFR:B1 レベル):10 ポイント


上記の50ポイントは必須となります。

上の2つはビザの話になるような人は、特に考慮しなくていいと思います。


英語力はB1レベルを証明するため、IELTSの専用テストをパスする必要があります(詳細は後述)。

ちなみにイギリスの高校や大学を出ている人は、ここはその卒業証明でいいようです。


残りの20ポイントは職種や学位でトレードオフが可能です。

最も一般的なのが「最低年収額£25,600、職業コード別最低年収額を満たす」だと思います。

ちなみに僕は、この条件で20ポイントを満たしました。

詳しい職種や条件は、UKのサイトから確認できると思います。

Skilled Worker visa の申請方法


ここからは、僕の実際の申請状況を時系列でまとめていきます。

①CoSの発行

まずはSkilled Worker ビザを申請するにあたり、会社にCoS(Certificate of Sponsorship)を発行してもらう必要があります。

僕の場合は、2020年12月の新制度から申請すると、イギリス国内で完結できるとアドバイスがあったので、12月に申請をしました。

ちなみにこの申請は、会社にライセンスがないとできないので、参考までにカンパニーリストのページを載せておきます。
ライセンス保有カンパニーリスト

僕は12月に申請をして、2週間ほどでCoSが発行されました。

②アプリケーションフォームの記入

CoSを発行してもらった後は、UK政府のサイトからオンラインで申請が行えます。

ここからは各々の申請状況によって、流れが若干変わりますが、僕はイギリスの別ビザからの切り替えというルートで申請しました。

そのため以下は、自分のケースの場合についてまとめております。

国外からの申請だと、資金証明が必要だったりなどルールが少し変わります。詳細はUK政府のページよりご確認ください。


ここでは、イギリスのビザを申請したことがある人はわかると思いますが、同様に個人情報や渡航歴、犯罪歴の有無などを記載していきます。

またCoSやライセンス番号、ジョブタイトルなども会社からの指示通りに記載しました。

必要な情報さえ揃っていれば、特に難しくないです。

③申請費用の支払い

申請の最後には、申請費用をオンラインで支払う必要があります。

ビザの長さなどによって左右されると思いますが、僕は実際に以下の金額を立て替えました。

Skilled Worker visa 申請にかかった費用

  • 申請費用:£1,872
  • ヘルスケアサーチャージ:£723.2

当時のレートが£=150円ぐらいなので、40万円弱を立て替えました。


この支払いが完了すると、次はアポイントのサイトにアカウントを作るよう指示があります。

この時点で、英語力の証明をできるものを持っていることとありましたが、特にアップロードなどは求められなかったので、申請後にIELTSを受けても、最終アポの時点で証明書があれば大丈夫でした。

 

④IELTS Life Skills – B1の受験

Skilled Worker visa の申請には、英語力の証明が必須です。

B1レベルを証明する必要があるのですが、資格がない人はIELTS Life Skills – B1の受験がオススメです。

よく他のサイトなどを見ると、IELTS 4.0以上などとありますが、費用もテスト時間もかかるためオススメしません。


僕が受けたB1用のテストは、いわゆるビザ申請用のテストなのですが、テスト時間が15分ほどかつ、ノーマルなIELTSよりも費用がだいぶ安いのでオススメです。


テストもめちゃくちゃ簡単なリスニングとスピーキングを、パートナーの受講者とするだけだったので、多分落ちる人はいないと思います。

ちなみに費用は£150でした。


受験にもアポを取る必要があり、Skilled Worker visa の申請が決まっている人は、落ちる心配はないので、とっとと受けてしまいましょう。

またここで受かってしまえば、将来的な永住権申請などの際も、記録が残っているので使用できるとのことです。


ちなみに結果発表は予定よりもだいぶ早く、3日後ぐらいにオンランで通知され、その後すぐ原本が郵送されました。

ただし現時点の要件が、Speaking, Listening, Reading, Writingの4要件を満たすこととなっています。

そのため、会社や弁護士によっては受け入れてもらえない可能性があります。

万全を期たい方は別のテストを受けるのがいいかもしれません。

⑤ビザセンターでバイオメトリクス登録

必要な書類が揃ったら、バイオメトリックス登録のためにアポを取ります。

プライオリティサービスを使わないと、直近の日程はほぼほぼ埋まっています。

ちなみに料金も日程や場所によって違うようですが、僕はサービスは利用せず、2週間後の日程で£199かかりました。

急ぐ必要がある場合、会社によってはプライオリティーサービスを使えると思います。

ただし、プライオリティーサービスの中にもランクがあり、いずれもめちゃくちゃ高いので、個人で立て替える場合は結構きついです。


このアポを取った後は、当日までに必要書類をアップロードしておきます。

当日は必要書類の原本を持参し、指紋などを採取され、30分もかからず終了しました。

⑥結果通知とBRPカードの受け取り

結果は最大〇〇日となっており、コロナ禍で時間もかかるのかなと思いきや、翌日には結果がメールできました(笑)

プライオリティーサービスを利用するまでもなく、素晴らしいスピード感でビザ手続きが終了。

結果通知のメールには、受け取りの際はIDなどが必要となっておりましたが、僕の場合は雑にポストに投函されていました。

こうして僕の、全て個人で行ったSkilled Worker visa の申請は無事終了し、正式にイギリス滞在が可能となりました。

確かに社長の言う通り、弁護士やアドバイザーを通さない方が、確実に早くスムーズだったと思います。

まとめ:Skilled worker visa 取得までの費用と期間

最終的に Skilled Worker visa の取得までにかかった費用は、以下の通りです。

申請費用 £1,872
ヘルスケアサーチャージ £723.2
IELTS Life Skills – B1 £150
バイオメトリクス登録 £199


合計£2,944.2なので日本円で45万円ぐらい、期間はCoSの発行手続きからBRPカードの受け取りまで、ちょうど2ヶ月ほどでした。


あくまでも僕の場合なので、参考程度にしてみてください。

 

イギリスで就労ビザを取得するためには


イギリスは先進国かつ英語圏であるため、一度は働きながら生活してみたいと思う人も多いと思います。

ビザの問題がありますが、僕のような例もあるので、以下は僕の経験を踏まえお伝えします。

Skilled Worker visa を取得するために必要なこと

働く職種にもよるためスキルについては述べませんが、以下のことが大事かなと思います。

Skilled Worker visa 取得のポイント

  • YMSではビザ発行実績のある会社に就職する
  • ビザ支給の決定権がある人に気に入られる
  • 仕事で結果を残す

業務上のスキルはもちろん大事ですが、上記のことは結構大事だと思います。

ビザの発給実績があれば申請はスムーズですし、決定権がある人に気に入られるためには、仕事で結果を残す必要があります。

ちなみに僕の場合は、決定権のある社長に気に入られたのが、一番大きかったと思います。

イギリスの就労ビザを取得するメリットとデメリット

ここまでは取得手順を説明しましたが、Skilled Worker visa 取得のメリットとデメリットをまとめます。

【メリット】

  • イギリスに住める
  • ビザをスポンサーしてもらったという実績ができる
  • ヨーロッパを気軽に旅行できる
  • 5年後は永住権の申請資格が得られる
  • 家族もビザが申請できる

【デメリット】

  • 転職が簡単にできない
  • 会社の言いなりになる可能性あり
  • 駐在員との待遇の違いに絶望するかも


こんな感じだと思います。


ビザをスポンサーしてもらうため、イギリス国内で転職をするには、またスポンサー企業を見つける必要があります。

僕自身も自分の将来について悩むこともありますが、現時点メリットが勝るため、イギリスに引き続き滞在しています。

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永住権のために、何が何でも5年間働こうとは思いませんが、結果的に5年間が経過したら申請してみようかな、ぐらいの気持ちです。

番外編:YMSからSkilled Worker visaへの切り替えタイミングについて

YMSビザからの切り替えの場合、更新のタイミングによってはビザの期限がギリギリの人もいると思います。

その場合も、アプリケーションフォームの提出と申請費用の支払いが済んでいれば、万が一YMSビザが切れても大丈夫っぽいです。

ただしその間、国外に出られないなど制限もあるらしいので、余裕を持って申請手続きを進めるようにしましょう。

またこれは当時、僕が調べた情報なので、最新の情報はご自身で必ずチェックしてください。

イギリスで就労ビザを取得したい人へ

以上、これまでの僕の実体験を元に、Skilled Worker Visa 取得の手順をまとめました。

誰でも取得できるものではありませんが、現行制度になりチャンスが増えたのも確かです。

イギリスでどうしても長く働きたい人は、僕のようにYMSビザからの切り替えを狙うのもありですね。


ビザを手配してもらうには、会社にとってメリットのある人材になる必要があります。

ビザを支給してもらうと、申請費用はもちろん、その後のライセンス維持費用や給与担保など、会社にも負担が増えます。

業務上のスキルや結果はもちろん、手元に置いておきたいと思わせるため、時には人間臭さを出すのも大事だと思います。


話は若干逸れますが、最近はイギリスの大学・大学院を卒業すると、Graduate visa というビザに切り替えることが可能です。

このビザに切り替えることで、最大2年間イギリスで就労することができます。

例えば大学院を1年で卒業して、その後2年間イギリスで働き、Skilled Worker visa への切り替えを狙うというのもありだと思います。


いずれにせよ、以前よりも選択肢は増えているように感じます。

イギリスの就労ビザに関心がある方に、本記事が少しでも参考になっていると嬉しいです。