タイトルの通り結論から言ってしまうと、本気で部活動に取り組んでいる体育会学生は、中途半端になるぐらいなら、就職留年を選択するべきです。
大学の部活生の中には、部活を競技生活の集大成と位置づけている一方、大事な大事な就職活動を中途半端にできないと、両立に悩んでいる部活生も多いのではないでしょうか。
本記事では、僕の経験も交えながら、就職留年をするメリットを述べます。
目次
やりたいことが最後までわからなかった現役の就活
練習との両立を目指した就職活動
就職活動のピークは競技のシーズン真っ只中です。
各部活のルールにもよると思いますが、当時の僕が所属していたサッカー部は、練習そっちのけで就職活動をする人、プロを目指して一切就職活動をしない人、就職活動と部活動の両立に悩む人など、さまざまな部活生がいました。
当時僕は「サッカー人生の集大成のシーズンなのに、練習を疎かにしたくない」という、部活生の模範のような志があったため、就職活動と部活動の両立を目指して取り組むこととしました。
なんだコレ、、サッカーしたい
そこそこの大学のサッカー部という肩書きを信用し、僕も周囲と同じように就職活動に取り組みました。
しかし、人生のターニングポイントだとわかりつつ、どうしても身が入りませんでした。
周りの学生たちは、人事にアピールするために中身のない質問を繰り返したり、面接ではバイトリーダーとサークルの代表が続出し、取ってつけたような自己 PRの繰り返し。
疑問に思いつつも、当時は企業に就職するという選択肢しかなかった僕も、周りと同じように自己分析を試みました。
しかし、サッカーの練習を頑張りたいという思いを断ち切れず、どうしても就職活動になかなか時間を割く気になれなかったです。

何とかなると思ってたが、何ともならなかった
僕はやりたいことやなりたい自分は、どうしても見つかりませんでした。
そんな対策不足の中途半端な気持ちで挑み、サッカーばかりして大したポリシーもなかったため、最終面接まで進んだものもありましたが、見栄を張って受けた第一志望の大手からは内定をもらえませんでした。
一方、僕とは違い、自己PRが得意で社交性のある優秀なサッカー部のチームメイトは、どんどんと内定をもらい、就職活動を終わらせていきます。
なんとなく受けてみた企業で通ったものもあったものの、そこに入る決心がどうしてもできず、途方に暮れる毎日。
清々しく練習をしているチームメイトを横目に、僕は人生最大の劣等感を覚え、自分を責めまくり、激しく後悔しました。
就職活動の終了、翌年度への持ち越し
絶望の淵に立たされた僕は、現状を報告する義務があるという使命感にかられ、まずは母親に報告しました。
という、スラムダンクの三井と安西先生ばりの、目頭の熱くなるやりとりもあり、僕は現役での就職活動をストップしてサッカーに専念し、就職活動を翌年度に持ち込むこととしました。
就職をやめるという判断は間違いじゃなかった
翌年度の就職活動
現役での就職活動をストップし、僕は翌年度に持ち越しました。
チームメイトの多くが社会人生活に胸を躍らせる中、僕は前年度と同じように一からマイナビやリクナビに再登録し。
ESや履歴書を作り、webテストと公務員試験対策の勉強に取り組みます。
2回目の就職活動は精神的にきついこともありましたが、ガリ勉の末公務員試験の筆記に合格し、大手メーカーからも内定をいただくことができました。
最終的に、公務員には民間企業を経験してからでもなれることと、母親からの
という神の一声もあり、民間企業への就職を決意。
僕は同期に遅れながらも、ようやく就職活動を終えることができました。
母親をはじめ、傷心の僕をサポートしてくれた方々には本当に感謝しています。
以下、僕の経験を踏まえ、就職留年のメリットを書きたいと思います。
メリット① 競技に集中できる
僕が現役での就職を諦めた理由は、競技に全力で取り組みたかったからです。
実際、僕のように試合に出てない人は少ないですが、サッカー部の中にはプロを目指し、大卒で声がかからなければ次年度に就職活動をするという人も一定数いました。
結果、サッカーを納得がいくまでやり切り、就職活動に集中できる環境を整え、うまくいっている人がほとんどです。
メリット② 時間ができる
部活生は、多くの時間をその競技に費やし、練習以外の時間を確保することがなかなか難しかった人も多いと思います。
留年での就職活動時には部活も引退しており、時間を割くことができます。
さらに内定を取ってしまえばさらに時間が腐るほどできます。
この時間は、現役で就職した体育会部活生にはなかったものです。
僕はこの時間を有効活用し、イキってヨーロッパに一人旅に行きました。
結果、人生観が変わるほどの旅となり、部活をやっていなかった時には見向きもしなかった海外や英語に関心を持つこととなります。
短期でもいいと思うので、是非体育会学生には海外留学を経験してほしいです。
長期留学をしてから、その後留年して就活するのもOKです。

また是非この貴重な時間を活用し、部活生時代にはなかなか会えなかった人に会いに行く、旅に出る、興味のあることを勉強するなど、練習が忙しくてできなかったことに取り組んでください。
また、僕もそうでしたが、学生時代に社会人になるということがうまくイメージできない人も多いと思います。
そんな時にモチベーションを上げるために読んでほしい本が、元慶応アメフト部主将の、芦名さんの本です。

この方、一言で言うと体育会界隈の怪物です。
読むと世間にはこんなすごい人がいるんだと感心し、社会人へのモチベーションが爆上がりします。
現在、芦名さんの著書は以下の2つが出版中です。
就職活動や将来に対してモヤモヤしている方は、是非一度読んでいただきたいです。
メリット③ 学生時代の同期から情報収集できる
就職活動の最新情報を入手できるのもメリットです。
学生時代にも先輩から聞くことはできると思いますが、やはり気の知れた同期の方が気兼ねなく聞けます。
また、先輩よりも真摯になって助けてくれると思います。
OB訪問のパイプ役となってくれたり、採用情報をより詳しく知っているかも知れません。
過去のESや履歴書を参考に見せてもらうことも可能ですし、面接で聞かれた内容を覚えている範囲で聞き出すこともできます。
現役で先に社会に飛び立った仲間を使い倒してやりましょう。
デメリットもあります
一応デメリットも紹介しておきます。
①学費等の諸経費がかかる
②親の理解を得られない可能性がある
③同期が先輩になる
④面接で就職浪人の理由を聞かれる
⑤1年分の生涯収入が減る
多くの人が引っかかるのが①と②ではないでしょうか。③〜⑤に関しては、個人的には全く気にする必要はないと思います。
<①②>学費と親の理解
多くの人が一番気にすることろではないでしょうか。
数十万円余計に出費が増えるわけですし、家計の事情でどうしても現役で就職しなければならない人もいると思います。
説得をするのは大変かもしれませんが、大学まで部活に本気になって取り組んできた姿を一番見てきたのは、紛れもなく親です。
最低限以下のことは、熱意を持ってしっかりと説明しましょう。
単位が足りず卒業できずに留年するなら話は別ですが、そうではありません。
就職活動を翌年度に持ち越す理由を熱意を持って述べれば、親もきっと理解してくれると思います。
僕は親の理解がありすんなり決まりましたが、一筋縄ではいかない人は、しっかりと時間を取って相談しましょう。
<③>同期との格差
留年や留学、院卒などの人も多いので、年齢は思っているほど気になりません。
また、一つ上の世代に知り合いが多くいるというメリットもあります。
学生時代の同期の後輩になるというポジションに劣等感を感じる方は、そこは我慢してください。
<④>留年の理由
僕の場合なので全てに当てはまるとは言えませんが、そこまで聞かれませんでした。しかも、部活生は留年の理由が明確なので、その理由を自身の言葉で思いを持って話せば、問題ないと思います。
<⑤>生涯収入
新入社員の初年度の収入は知れてます。
この一年分の収入のために行きたくもない会社に入社する方が、将来的なリスクがあります。
就職活動を頑張ればいい会社にも入れますし、会社に入ってからも頑張れば、本人次第でいくらでも出世できます。
結論
周囲の理解を得て留年しましょう
メリットとデメリットを書きましたが、僕個人としては現役で無理して就職しなくてよかったと心から思っています。
あの時の自分の判断を褒めたいです。
そのおかけで自分と向き合う時間も作れました。
周囲と違う経験ができたとで、周りの目線とかがどうでもよくなる強靭なメンタルも身につけることができました。
僕も当初は、ストレートで就職することが正であり、同期に遅れをとることに強烈な劣等感がありました。
しかし、結果的に彼らが経験できなかった経験を浪人中に積むことができ、人としての幅は広がったと思います。
もし躊躇している人がいれば、僕は留年をオススメします。
親の理解を得るのは大変かもしれませんが、覚悟を持って留年する旨を伝え、就職後はしっかりと親孝行しましょう。
ただし、ここまでオススメしてきましたが、一番は部活と就職活動を完璧に両立させることです。
僕は力不足でしたが、先輩や後輩の中にはしっかりと両立できている人も実際にはいます。
一方、どちらも中途半端になっている人もいました。
どの時点で判断するべきかは個人によりますが、中途半端になるのが最悪なので、覚悟を持って判断し、その判断に責任を持って取り組んでください。